ここ最近、新型コロナウイルスの影響もあり、利用者が急増しているリースバックと任意売却について解説しています。そもそも任意売却とは?というところから任意売却のメリットデメリット、不動産リースバックとの比較について紐解いていきます。今現在、住宅ローンの支払いが苦しい人はリースバックや任意売却を知ってすぐに行動すれば競売を回避できるかもしれません。
まずは結論から
任意売却とは借金を全額払うことなく家を売却する手段であり、住宅ローンなどの返済が停止している不動産を売却することを指します。任意売却には「市場価格に近い価格で売れる」「残った住宅ローンを分割で支払っていくことができる」などのメリットがあります。リースバックと任意売却の比較では、引っ越し(転居)が必要かどうかが異なります。リースバックでは売却後も賃貸で住み続けることができますが、任意売却では通常の売却(=仲介で売却すること)同様、一般の方に売却するため引っ越しが必要になります。どちらが良いかというのは一概には言えませんし、利用条件も異なります。両者の違いを把握することで、不動産売却の知識をつけ競売を回避しましょう。なお、競売って何?という方は以下の記事で解説していますので参考にして下さい。
任意売却とは?
最近、住宅ローンが滞り気味になっていまして・・任意売却という売却方法があることを知ったのですが難しくて理解できなかったので教えて下さい。
はい。任意売却とは簡単に申し上げると「借金を全額返済せずに家を売却する方法」です。
でも銀行さんから住宅ローンを借りていて、家を売る場合には銀行さんに借りている住宅ローンを全額返さないといけないんですよね?
はい。おっしゃる通りです。住宅ローンを利用している場合、通常は売却代金で借りている住宅ローンを一括返済し抵当権を抹消します。ところが、住宅ローンを滞納するとやがては競売という方法で強制的に売却をして銀行は貸している住宅ローンを回収することになります。競売になると市場価格よりだいぶ安くなってしまう可能性が高いので、それであれば任意売却で市場価格に近い金額で売却することを許可し、少しでも住宅ローンを多く回収した後で、残ってしまった住宅ローンに関しては分割払いなどを認めますよという制度です。
なるほど。銀行との交渉は、不動産屋さんがやってくれるのでしょうか。
はい。交渉や手続きは不動産会社が全て代行します。注意点としては必ず任意売却ができるということではなく、家が売れる金額と住宅ローン残高の金額があまりに開きがある場合には銀行も任意売却を認めてくれませんし、そもそも任意売却を認めていない銀行もあります。まずは任意売却ができるのかどうか、任意売却に詳しい不動産会社に相談するのがよいですね。
なるほど。手元に資金がないのですが・・費用についてはどのくらいかかるのでしょうか。
はい。任意売却にかかる費用は、通常の不動産売却にかかる費用と同じです。この費用も不動産会社が銀行と交渉して売却代金から賄うようにしてくれます。
安心しました。まずは利用できるかどうかですね。
そうですね。まずは任意売却を利用できるかどうか詳しい不動産会社にお早めに相談するのが一番です。相談する際は、現在の借入先銀行名と残高、延滞状況、銀行や裁判所から届いている書類をご用意して問い合わせるとスムーズです。
任意売却のメリット
任意売却のメリットについて教えて下さい。
はい。任意売却をするメリットは下記のような感じになります。
①相場に近い価格で売れる(競売より高く売れる)
通常の売却と同じ方法で、時間をかけて広く広告し販売活動を行うため、競売による強制的な売却よりも高く売れる傾向があります。
②持ち出し金がゼロ
滞納分の固定資産税や住民税(マンションの場合は滞納管理費・修繕積立金も)、売却にかかる諸費用などを売却代金から支払うことが認められています。そのためお金の持ち出しがないことはメリットですね。
③残った住宅ローンは分割払いできる
売却後に残ってしまった住宅ローンについて、現在の生活や収入状況を考慮し、現実的な返済方法を話し合いの上、対応してくれます。
④近所に事情を知られずに売却することが可能
任意売却は通常の売却と同じ方法で行いますので、周囲には住宅ローンを滞納したことが知られることなく売却が可能です。ご近所や知り合いに対して高く売れるから売却したと説明できます。
⑤交渉によりますが、引っ越し費用を最大30万円、売却代金からもらえる可能性がある
最高30万円の引っ越し費用を、銀行との交渉により売却代金から融通してもらえる可能性があります。
手元にお金がないのでこれは助かります。
そうですね。全ては交渉次第ですが、任意売却ができれば競売より断然良いかと思います。
任意売却のデメリット
任意売却のデメリットについても教えて下さい。
はい。任意売却のデメリットとしては下記のような感じになります。
①銀行(債権者)の同意が必要
まず銀行の同意が必須です。住宅ローンの残高よりも低い価格で家を売却しても良いか交渉が必要で同意が得られない場合は任意売却をスタートできない点はデメリットと言えます。交渉にあたるのは不動産会社ですのでその点は知識などがなくても心配は無用です。
②時間制限がある
銀行は任意売却と同時に競売の手続きを進めていきます。競売の開札日前日までに任意売却が完了していないと、取り下げができず競売になってしまいます。
③必ず売れるとは限らない
任意売却は仲介という通常の売却方法と同じ方法で一般の方に売却します。売却価格は銀行から承諾を得た金額でなければならず勝手に価格を下げることはできません。人気があまりない物件の場合、買い手がなかなか見つからず時間切れで競売になるケースもあります。
④信用情報機関のブラックリストに載ってしまう
任意売却をすると信用情報機関のブラックリストに載ってしまいます。そのため今後5年間は新たにローンを組んだり、クレジットカードを利用することはできなくなります。なお、この点については競売の場合も同じです。
⑤連帯保証人や連帯債務者の同意が必要
連帯保証人や連帯債務者がいる場合は、これらの方の同意が必要です。
⑥売却活動に協力しなければならない
購入希望者が現れたら、家の中を案内したりする必要があります。条件交渉や売買契約締結、決済への立会、登記への協力など通常の売却と同じことが必要になります。
そもそも任意売却できなかったり、できても売れないこともあるんですね・・
そうですね。任意売却は不動産売却の中でも非常に難しく、なかなか普通の不動産会社では取り扱っていないことも多いです。任意売却に関する経験と豊富な専門知識がある不動産会社に依頼しないと不調に終わることも十分考えられますので注意が必要です。
不調に終わるというのは、任意売却をしてみたけど売れずに競売になってしまうということですか。
その通りです。あまり任意売却に詳しくない不動産会社に依頼すると、慣れていないため正確に処理ができず時間だけが過ぎていき、やがて時間切れで競売になってしまうケースも多くあります。
任意売却を依頼する場合は、任意売却に詳しい不動産会社に依頼することが重要です。
リースバックとの比較
リースバックとの比較についても教えて下さい。
はい。リースバックと任意売却の違いについては下記のような感じですね。
①利用条件が異なります。
リースバックは自宅を売却することで住宅ローンを完済できないと利用が難しくなります。対して、任意売却は住宅ローンの支払いが困難になってしまった方が競売を回避するために利用するという違いがあります。両者に共通するポイントは家の売却価格と住宅ローン残高の差額ですね。この金額が小さければリースバックを利用できますし、大きいと任意売却(もしくは競売)となります。
②引っ越し(転居)が必要かどうかが異なります。
リースバックは自宅売却後も賃貸という形で自宅に住み続けることができますが、任意売却の場合は引っ越し(転居)が必要になります。
③再購入できるかどうかが異なります。
リースバックは資金が貯まったら自宅を再購入できますが、任意売却では通常の売却同様、一般の方に売却しますので再購入することはできません。
だいたい想像通りでした。私たちはもう年で引っ越しも大変ですし、長年住み慣れた家が一番安心できるのでもし利用できればリースバックかな。
そうですね。自宅に住み続けたいという希望がある場合は、リースバックになりますね。
どちらが良いかアドバイスして頂くことはできますか。
まだまだ分からないことばかりなので助かります。
慣れないご自宅の売却で大変かと存じます。私たちは通常の不動産売却はもちろん、リースバックや任意売却に関する豊富な実務経験者で運営しております。様々な観点からお伺いすることで、不動産会社ではできない中立の立場から忖度のないアドバイスをさせて頂きますのでご安心下さい。
ありがとうございます。リースバックをすることに決めた場合、なるべく高く買い取って頂ける不動産会社を探したいと思っているのですが。
はい。査定については、当サイトでは【おまとめ査定】をおすすめしています。1度のお申し込みで仲介・買取・リースバック3つの売却方法による査定額が最大5社まで分かります。最小の労力で最善の売却ができたというお声も頂戴しておりますので、リースバックで売却する際はお気軽にご利用頂ければと思います。
時間も限られているので、1度で済むのは助かりますね。
一度、整理してまたご相談させて下さい。今日は、ありがとうございました。
少しでも有利なご売却になりますようお祈りしております。本日は、ありがとうございました。
まとめ
一見、良さそうに見える任意売却にもさまざまなデメリットやリスクがあります。しかし、それでも競売と比べるとメリットの方がはるかに大きいと言えます。
銀行(債権者)の同意がまずは必要と最初にご説明しましたが、競売より任意売却するほうがメリットがあるのだと説得しなければなりません。
直接銀行と交渉するのは不動産会社ですから、いかにメリットを提示して説得させる交渉技術があるのかどうかと、債権者の納得する金額で購入してくれる買主を見つける力があるのかどうかは非常に重要です。
また、少しでも高く売却することで、住宅ローンを多く返済し、今後の生活に少しでもゆとりをもてるかどうかも、不動産会社にかかっていると言えます。
リースバックや任意売却について相談したい、詳しい不動産会社を紹介してほしいという方はお電話やメールなどでお気軽に【無料事前相談】をご利用下さい。
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をスタッフ全員が意識しながらなるべく分かりやすく真剣にお答えいたします。不動産会社ではないからこそできる中立の立場から忖度のないアドバイスをさせて頂き、最適な不動産会社をご紹介いたしますので、まずは何よりもお早めにご相談頂ければと思います。
・任意売却とは?
・任意売却のメリット
・任意売却のデメリット
・リースバックとの比較
・まとめ