このページでは、不動産リースバックと不動産仲介との比較について解説しています。それぞれの違いを把握した上で、ご自身にあった最適な資金調達方法を選択しましょう。
まずは結論から
不動産リースバックと不動産仲介を比較した場合、早急にまとまった資金が必要になった等の時間的制約がなく、売却した後も自宅に住み続けたい・資金面で余裕ができたら自宅を再購入したいという希望がなければ通常は一番高く売れる不動産仲介を選択します。逆にこういった希望がある場合は、不動産リースバックとリバースモーゲージや不動産担保ローンを比較して決めたほうが良いですね。早急に売却したいが、自宅に住み続けたり再購入の希望はないという場合は不動産仲介を試して売却期限までに売れなければ不動産買取という方法が良いと思います。
お伝えしたいのは、一度全ての方法を検討してから決めましょうということですね。
不動産仲介とは？
はい。不動産仲介とは、不動産を売ったり買ったり、借りたり貸したりする際に最も利用されている方法で、不動産会社が代理人的な立場になり契約の成立を仲介します。
町の不動産屋さんの前を通ると仲介と書いてあるのを見たことがあります。
そうですね。街を歩いているとたくさんの不動産会社を見かけますが、そのほとんどの会社で不動産仲介を業として行っています。不動産屋さんの前を通ると、賃貸物件の募集広告や売買物件の販売図面が掲示されているのを見たことがあると思いますが、あれらは仲介物件で売主さんや貸主さんから依頼を受けて契約の成立に向けて営業活動をしているのです。郵便ポストに投函されるチラシや現地販売会なども同様で近隣の売り出し物件をＰＲしています。
なるほど。今、私たちは仲介で売却するかリースバックで売却するかこれから査定を取って検討していく段階なのですが、仲介でどこかの不動産会社さんにお願いした場合は、そういう方法で買ってくださる方を探してもらうことになるのですね。
その通りです。
上の図は不動産を売買する際に、不動産会社に依頼をする場合（媒介契約を結ぶといいます）ですが、不動産を買う場合はどうでしょうか。同様に、不動産会社が買いたい人の代理人的立場になり物件を探し、紹介します。つまり売主側と買主側に不動産に詳しい担当者がつくということですね。これを共同仲介といいます。中には売主買主の間に担当者が一人しか入らない仲介もありますがここでは詳細は割愛します。
なるほど。担当者さんが代理人的な立場になって私たちの家が早く売れるようにPRしてくれるんですね。
はい。その通りです。物件を中心に見てみると、おおよそ上記のような感じになります。このような流れを経て、契約の成立をサポートします。契約が決まると後々トラブルにならないように、交渉をする中で決まった条件などを盛り込んだ契約書類が作成されます。こういった業務は専門性が高く、日常的に不動産に接していない一般の方同士では契約書類を作成するのは困難なので不動産に詳しい人が間に入り仲介をしています。取引が成立するとそれぞれの不動産会社に仲介手数料を支払います。
確かに契約書なんて作ったこともないし全然分からないです。仲介手数料というのは家の売却に関する手続きをしてもらった対価なんですね。なんとなくしか分かっていませんでしたが納得しました。ちなみに仲介手数料はおいくらくらいかかるんでしょうか。
はい。売買物件の場合は、物件価格の3％＋6万円＋消費税、賃貸物件の場合は賃料（家賃）の1ヵ月分＋消費税が宅地建物取引業法で定められている仲介手数料の上限金額になります。
なるほど。高いのか安いのかよく分かりませんが法律で決まっているのですね。納得しました。
不動産仲介で売却するメリット
不動産仲介で売却するメリットについて教えて下さい。
はい。不動産仲介で売却するメリットは主に以下の2点です。
- 市場の相場で売却できる（買取やリースバックよりも高く売れる）
- 自宅を売却した後賃貸に住む場合、相場で賃貸物件に住める（不動産リースバックの家賃より安く賃貸物件に住める）
金銭面で一番優れているのですね。
その通りです。仲介で売却するということは、一般の方に売却しますので不動産会社に売却するよりも高く売れます。ただし、いついくらで売れるのかというのはあくまで過去の取引事例に基づいて査定金額を算出していますので、今回スムーズにその金額で売れるかどうかというのは誰にも分かりません。
なるほど。売却が完了するまで想定外に時間がかかってしまうケースもあるということですね。
はい。注意点としては、物件の売却活動を任せてもらうために根拠もなく高い査定金額を提示する悪質な業者も未だに存在しておりますので、気をつけましょう。こういった業者に捕まってしまうと結局他社と同じような金額でしか売れず売却までに膨大な時間とエネルギーをロスしてしまいます。査定金額については根拠がきちんと明示されていて納得できる業者に任せることが重要です。
なるほど。単純に査定金額が高い会社さんにお任せすれば良いということではないんですね。やはり複数社の査定を取ってきちんと納得できる会社さんにお願いしたいと思いました。
不動産仲介で売却するデメリット
不動産仲介で売却するデメリットについても教えて下さい。
はい。不動産仲介で売却するデメリットは以下のような感じになります。
- いつ、いくらで売れるかは分からない
- 仲介手数料がかかる
- 売れたら引っ越しをしなければならない（引っ越し費用がかかる）
- 再購入はできない
- 設備が古い場合、先にある程度のリフォーム費用がかかる場合がある
- 案内が入るたびに立ち合いなどの対応を迫られることがある
- 家族や近所に売却したことが知られてしまう
だいたい想像通りですね。不動産買取やリースバックと違い、多少の煩わしさが発生するということですね。
そうですね。このようなメリット・デメリットが不動産仲介にはあります。通常、不動産を売る場合、時間的な制約がない場合は仲介を選択します。ただし、査定金額や売り出し金額はあくまでも過去の取引事例を元にして決めますので、今回その金額で速やかに売却できるかどうかは売り出してみないと分かりません。また成約した場合には物件価格によっては高額な仲介手数料がかかりますので、他の売却方法と比較する際はトータルの収支と得られるメリットを秤にかけて考えることが重要です。
不動産リースバックとの比較
不動産リースバックとの比較についても教えて下さい。
はい。不動産リースバックと不動産仲介では下記のような違いがあります。
| 不動産リースバック | 不動産仲介 | |
|---|---|---|
| 売却価格 | 不動産仲介の50％から80％程度 | 一番高く売れる |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要 |
| 転居 | 不要（自宅に住み続けられる） | 必要 |
| 再購入 | できる | できない |
| 売却期間 | 2週間から1ヶ月程度 | いつ売れるか分からない |
| 手間 | かからない | かかる |
| 家賃 | 相場より割高になる可能性がある | 相場で借りられる |
なるほど。やはり売却価格ですね。リースバックにすると低くなってしまうが、「自宅に住み続けられる」「再購入できる」という権利が手に入るということですね。私たちもできれば住み慣れた今の自宅に住み続けたいと思っているので、あとは査定を取って仲介との差額がどれくらいかを見てからどちらかに決めようと思います。また分からないことが出てきたらご相談させて下さい。今日は色々と整理できて有意義でした。
不動産の売買というのは高額でそう何度も行うものではありません。だからこそしっかりと比較をした上で、少しでも有利な売却を実現しましょう。
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不動産仲介について教えて下さい。