このページでは、不動産リースバックを検討する際の注意点をまとめました。
相談・問い合わせをして査定を取ってみようかという段階です。
すでに申し込みをされている場合、契約時の注意点に関しては下記ページでまとめています。
まずは結論から~不動産リースバックを利用するときの注意点~
はい。不動産リースバックを検討する際のポイントは以下の4点です。
- 必ず複数社に査定を依頼し、比較検討した上で決める
- 他の不動産売却方法(仲介・買取)とも比較する
- 現地確認の際、部屋をできるだけ綺麗にしておく
- 再購入を検討している場合は、あらかじめシミュレーションをしておく
なるほど。比較検討することが大事なんですね。
そうですね。特に、上記①、②が非常に大切です。きちんと比較検討せずになんとなく決めてしまい後悔される方は少なくありません。
そうなんですね。私たちもどうせ売るならなるべく良い条件で契約できたらいいなと思っているのですが。
はい。当然ですよね。ではなぜ不動産リースバックを利用する際、きちんと比較をすることが大切なのでしょうか?
ひとつずつ詳しく解説していきます。
①必ず複数社に査定を依頼し、比較検討した上で決める
不動産リースバックはまださほど歴史があるサービスではありません。そのためこれまでは不動産リースバックを取り扱っている不動産会社は少なく、いざ不動産リースバックを利用しようと思っても比較検討できる会社は限られていました。ところがここ2~3年で不動産リースバックを取り扱う会社が増えてきています。最近は新型コロナウイルスの影響などもあり、これからは取り扱う会社も利用者も増えていくと思います。
コロナの影響で自宅を売却する人たちは増えているとニュースでやってました。
そうですね。もともと不動産リースバックを利用する方はここ数年増えていましたが、最近はコロナの影響でさらに増えてきている状況です。早急にお金が必要になった方だけでなく、ライフスタイルを見直そうとお考えの方が増えている印象です。
なるほど。やはりコロナの影響は大きいんですね。納得できます。
ここ最近は良い方向へ変わってきているため注目されています。
今まではリースバックを取り扱う会社が少なく、あまり良い条件で成約することが難しかったケースが多くありましたが、最近では取り扱う会社が増えてきたことできちんとした競争原理が働くようになり以前と比べるとずいぶん良い条件で成約になるケースが増えてきています。
そうなんですね。私たちは不動産のことは全く分からないので、買い叩かれてしまうのではという不安があります。
はい。毎日ご相談をお受けする中でそのようなお声を頂くことは多いです。最近は良い条件で成約できるケースが増えておりますが、これは利用者目線で考えると非常に大きなことです。とはいえ、取り扱う会社が増えたといっても、各社から提示される買取金額や契約条件にはかなりの幅があります。
不動産は高額なのでなんだか少し怖いですね。
なんとなく決めてしまい後悔する方は少なくありません。また、利用者の事情によって必要な金額も違うので、ベストな会社というのは異なってきます。買取金額を重視するのか、再購入価格や毎月の賃料(家賃)を重視するのか等です。
なるほど。
このような理由から、不動産リースバックを検討する際は、必ず複数社の見積もりを取った上で検討することが重要です。
では実際にどれくらいの違いがあるのか? 事例で見てみましょう。
A社 | B社 | C社 | D社 | |
買取金額 | 1,300万円 | 1,250万円 | 1,180万円 | 1,100万円 |
家賃 | 11万円 | 9.5万円 | 8.9万円 | 8.2万円 |
再購入価格 | 1,495万円 | 1,320万円 | 1,380万円 | 1,200万円 |
確かにかなり幅がありますね。
このくらいの違いが出ることは珍しくありません。
では、5年後の収支はどうでしょうか。(登記費用などの諸費用は一律であるとします)
買取金額-(家賃×60か月(5年間))で計算すると・・
A社 | B社 | C社 | D社 |
1,300-660=640万円 | 1,250-570=680万円 | 1,180-534=646万円 | 1,100-492=608万円 |
毎月の家賃が安いB社が、5年後に手元に残る金額は一番多くなります。
なるほど。数年間の総額で考えると違いが分かりやすいですね。
そうですね。
ちなみに5年間住んだあとに再購入をする場合で考えてみると・・・
A社 | B社 | C社 | D社 | |
再購入価格 | 1,495万円 | 1,320万円 | 1,380万円 | 1,200万円 |
5年後手残り | 640万円 | 680万円 | 646万円 | 608万円 |
再購入するための必要額 | 660万円 | 640万円 | 734万円 | 592万円 |
D社が一番お得ということでしょうか。
そのとおりです。5年後の手元に残る金額ではB社が一番多くなりますが、再購入価格を考えるとB社とD社ではトータル48万円ほどD社を選んだほうが得だということになります。
なるほど。ケースによって最適な会社は変わってくるというのはこういうことなんですね。
このように単純に買取金額の大小だけで選ぶのではなく、買取金額・家賃・再購入価格を総合的に考えて不動産リースバック会社を選ぶ必要があります。
上記の例だと
5年間住むつもりも再購入する予定もない →A社 |
5年間は住むつもりだが、再購入するかは分からない →B社 |
5年間住んだあとに再購入したい →D社 |
というふうに状況に応じて選ぶ会社も変わってくるということになります。
確かにそうですね。再購入するかどうかというのは良く考えたいと思います。
②他の不動産売却方法(仲介・買取)とも比較する
不動産リースバックには「自宅に住み続けられる」「短期間で資金を調達できる」「再購入できる」というメリットがあるからこそ検討しているのだと思いますが
不動産リースバックの買取金額 | 1,300万円 |
仲介での売却金額 | 1,400万円 |
買取での売却金額 | 1,100万円 |
仲介との差額が100万円くらいならリースバックのメリットを取るかな。
はい。仲介との価格差が100万円であれば、不動産リースバックの「自宅に住み続けられる」「短期間で資金を調達できる」「再購入ができる」というメリットのほうが大きいと考える方が多いと思います。
買取との価格差200万円についても、不動産リースバックにメリットがあると考える方が多いと思います。
では・・
不動産リースバックの買取金額 | 500万円 |
仲介での売却金額 | 1,500万円 |
買取での売却金額 | 1,150万円 |
差額が1,000万円では大きすぎて、これではリースバックは利用できないです。
はい。そうですよね。仲介との価格差が1000万円で、買取との価格差が650万円だった場合、それでも「自宅に住み続けられる」「短期間で資金を調達できる」「再購入ができる」というメリットのほうが大きいと考えるでしょうか。普通はそうは考えませんよね。
不動産リースバックを利用しようとする方の多くが、不動産リースバックのみで検討してしまうのですが、通常の仲介や買取の査定も同時に行うことで
・通常の不動産売却との価格差はどれくらいあるのか
・その価格差は、「自宅に住み続けられる」「短期間で資金を調達できる」「再購入ができる」というメリットよりも重要なのか
これらを明らかにした上で、ベストな方法を取ることを当サイトではおすすめしています。今までは査定を取ると仲介だけ・買取だけ・リースバックだけの査定金額しか分からず、比較検討しようとすると膨大なエネルギーが必要でした。当サイトでおすすめしているおまとめ査定では、仲介・買取・リースバックの3つの売却方法による査定金額+かかる諸費用が最大5社まで1度の査定申し込みで分かります。最小の労力で最善の選択ができたとおっしゃって頂けることも多く、私たちも自信をもって【おまとめ査定】をおすすめしております。
そうですね。私たちもなるべく早く売却したいという希望があり、時間が限られています。
あまり時間をかけずに私たちに合った最適な不動産会社を見つけるために、おまとめ査定を利用したいと思います。
はい。ご不明点がございましたらお電話やメールなどで【無料事前相談】も承っておりますので、お気軽にご相談頂ければと思います。
これらを踏まえた上で不動産リースバックの担当者と価格交渉に臨むと、仲介や買取の査定価格を提示することで価格交渉は当然しやすくなります。不動産リースバックをメインで検討していても通常の仲介や買取の査定をしてもらうことには大きな意味があるのです。
なるほど。極力、幅広い情報を知った上で結論を出すことが大事だということが良く分かりました。
不動産を利用した資金調達手段には他にもリバースモーゲージや不動産担保ローンがあります。
これらは利用できる条件が厳しくなっていますが、不動産リースバックとの違いについては下記ページでまとめています。
③現地調査の際、部屋をできるだけ綺麗にしておく
不動産リースバックで売却する場合でも、仲介や買取で売却する場合でも、「この物件は手入れ・メンテナンスが行き届いているな」と思ってもらったほうがリフォーム費用が安く済むので、高い査定になる確率が上がります。
なるほど。
- 水回りがきれいな物件
- 床や壁紙がきれいな物件
- 照明が明るい物件
- 外壁がきれいで防水工事がしてある物件
- 給排水管に異常がない物件
- 屋根が雨漏りしていない物件
- ペットを飼っていない物件(飼っていても匂いが残っていない物件)
- 残置物(家具家電などのモノ)が少ない物件
これらはリフォーム費用を下げるため、その分買取金額や査定金額を高くできる物件になります。
なるほど。自宅に来て頂くときには是非、きれいに掃除をしておこうかと思います。
仲介で売却を依頼する場合の話ですが 、自社で売却活動をさせてもらうために根拠がなく高い査定金額を提示し、媒介契約(売却活動を任せてもらうこと)を取る、いわゆる「高預かり」を行う悪質な業者が問題になっています。また「囲い込み」といわれる、物件を預かったあとに他の業者に物件を紹介しない業者もいまだにおります。こうした業者に捕まってしまうと膨大な時間とお金とエネルギーをロスしてしまいます。このようなことが大手といわれる業者でも平然と行われるケースがありますので、査定金額については根拠がしっかり納得できるものかシビアに確認することが大切です。
④再購入を前提にしている場合は、あらかじめシミュレーションをしておく
再購入を検討する方向けにポイントをまとめました。リースバック利用時にある程度、再購入するときの資金計画などを明確にしておくことが望ましいです。
- 再購入価格はいくらか。取得時の諸費用はいくらかかるのか。
- 再購入は現金で行うのか。ローンを組むのか。誰が組むのか。
- 借入先・金融機関のあてはあるか。
- 再購入する場合の所有者(名義人)は誰にするのか。
- 再購入資金は何年で貯まるのか。
再購入についても、おまとめ査定を取ってから検討すべきかどうかというのを決めたいと思います。
そうですね。これらは再購入をする際は、必ず直面することですので事前に決めておかれるほうがスムーズだと思います。
今日はいろいろとありがとうございました。注意点が整理できた気がします。これから【おまとめ査定】を利用しようと思いますが、また不明点が出てくるかと思いますので、その際はご相談させてください。
不慣れなご自宅の売却でご不安な点やご不明点も出てくるかと思います。何かございましたらお電話やメールなどで、お気軽にご相談頂ければと思います。本日は、ありがとうございました。
最近リースバックを検討し始めたばかりなのですが、注意点などを教えてください。